バポは踊りやワヤンのお声がかかると行って、ワヤンだとダランといって人形を操りながらお話をする人をやり、
踊りだとトペンパジェガンといって一人で何種類もの役を踊る人になります。
このすべてが奉納です。
で、その都度どっさりとお供え物をもらい、そして幾ばくかのお金をいただきます。
どっさりのお供え物のほとんどは食べ物です。
ある日のお供え物はチャーハン状に盛り上げた白いごはんが10皿に
ラワール(ヤシの果肉や豚肉、野菜をめっちゃ細かく切って香辛料や豚の血で和えたおかず)
サテ(鶏肉や豚肉の串焼き)
鶏や豚の生肉
スープのようなもの
お菓子
クルプッ(えびせん)などです。

↑ある日のお供え物(一部分です。この3倍くらいありました。)
これで家族7人と居候の私の胃袋はだいたい満たされます。
だいたいってのは、ちょっと足りないってこと。
バリの人はご飯食いですから白いご飯沢山にすこしのおかず。だからご飯だけは毎朝炊いて足してました。
あとはお供え物の食べ物を戸棚(冷蔵庫じゃないよ)に入れといて、少しずつそこから食べる、無くなるまでというスタイル。
無くなるまでと言っても、ある時「白いご飯」+「豚肉の串焼き」+「サンバルゴレン(唐辛子風味の薬味のようなもの)」と同じメニューが二日間計5回続いたときはさすがにまいりました。
近所のワルンでピサンゴレン(揚げバナナ)を狂ったように買って食べた覚えがあります。
私が弟子入りしてた時は2週間に4回くらいの割合で奉納のオファーがありました。
結構な頻度です。
ですから、会社や商店に働きに出なくても何とか芸術だけで食べていけてるんだなと思いました。
でも生活費の足しによくsarad(サラッド)という大がかりなお供え物を作っていましたね。
2012年6月21日のブログでそのパーツ作りについて書いています。
現金収入のほとんどを芸術で得ていたバポ。
こういう人はそう多くはありません。
ほとんどの人は他に仕事がありながら音楽や踊りをやっています。
5人いるバポの子ども達のうち同じように芸術だけで食べているのは二人だけです。

↑Sarad(サラッ)を作成中のバポ
- 2015/12/12(土) 01:34:28|
- バリ、インドネシア
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懐かしいちいちゃんからメールが来た。
ちいちゃんは数年前にベルギーへ行ってしまった。
スルヤムトゥの仲間だった。
亜実ちゃんと並ぶキッズの、といってももう中学生だったからキッズというと叱られちゃうね。
中学生だったけど、亜実ちゃんと並んで芸歴10年くらいになりなんとする
堂々たる2大トップダンサーだった。
そのちいちゃんがお父さんの転勤でベルギーに行っちゃった時は
それはそれは寂しくて
本当に本当に寂しかった。
そのちいちゃんが、ベルギーの学校でバリ舞踊について研究するという。
つきましては質問が色々あってメールしました…
との事だったが
その内容が
さて、ひと言では語れないぞ。
バリ人にとって「バリ舞踊とはなんぞや」
はたまた日本人で日本でバリ舞踊をなりわいとしている私にとって「バリ舞踊とはなんぞや」
…ときたもんだ。
それで、どうやって返事をしたもんかいろいろ考えあぐねて
ふと思いあたったのがボナの師匠、「バポ シジャ」のことだ。
はっ!
そういえば数年前、バポのドキュメンタリーを書きだしたんだった。
あれ、どうなったっけ。
自分で書いといて、しかもFacebookに同期までしてたのにどうなったか全然覚えてない。
世のため人のためにならないブログ、「どうぞそのまま」
このブログだ!
…をさかのぼってみた。
あっ!
2012年7月9日で止まっている。
しかも最後の行に
「つづく・・・。」
の文字
つづいてない・・・。
つづかせよう。
というわけで、ちいちゃんへの何らかの返事にもなると思い、以下3年半ぶりに続きを書く事にした。
☆プナプナ139号 (2004年12月21日発行)
バポのタオルを洗いたい。
ここへ来てからずっと毎日肌身離さず持ってるオレンジ色の煮〆タオル。
(
バリの年寄り編 画像参照)
たぶん私が来る前から持ってるんだろう。洗濯機でガーッと洗ってハイターかけたい。
・・・と思って朝の楽しみ「テ パナス」をしてると
バポが
「こっち来い。」
「クラスをこの人がやるから見てろ」。
ここで解説。
テ パナスとは熱い紅茶のこと。
朝の日課で、起きるとまず熱くて甘い紅茶を飲むのだ。
すでに勝手知ったる台所、自分で紅茶を作って飲むわけだが、イブ サリが用意したのをそのまま飲むと
凄く甘いので自分で砂糖の量を調節して作る事にしている。
時にはそこにサリがざくざくと切った生のショウガをぶち込むのだが、それがおいしい。
で、「クラス」とはトペン クラスのこと。数あるトペンの演目の中でも荒型の部類に入る、私の今の実力じゃ
とうてい無理な雲の上レベルの演目。
【Topeng Keras トペン クラス】

バポに見てろと言われたので従順な私はすかさず
「この人」とよばれた「スアルタ氏」のそばにはせ参じる。
「見てろ」とは言われたがしばらくたっても踊りは始まらず、バポ、スアルタ氏、私の3人でしばし談笑。
そのうちバポはフッと私とスアルタ氏だけ残して自分の部屋行っちゃった。
何が言いたかったんだろうと例のごとく推し量る。
とにかくトペンの話に持っていかないと。
で、結果かなり勉強になった。
①トペンクラスはダレムを守る役目の人。
②トペントゥア(おじいさんの踊り)のトゥアも昔は王様だった。
③スバン(耳飾り)をつけたトペンは女性を表し、いつもルジャンを踊る。
④トペンクラスは視線を遠くに投げる。
⑤その次に出てくるブタのお面の踊り手はバンジャール(隣組)の代表役。
⑥ジャウック(長い爪をつけたぐりぐり目玉の仮面をつけた踊り)は動きを自分で場に応じて作る。
などなど。
2時間近く話を聞いて、スアルタ氏は帰っていった。
そうか。バポはこの人でトペンの知識を得なさいと言いたかったのだよね。
スアルタ氏が帰ったあと、バポにどうだったかと聞かれたので、こんな話しました、と言ったら
うんうんとうなづいていた。
そんなこんなの毎日で、
例によって突然「踊りに行くぞ」とあちこちで踊り、
そのたびにある時は500ルピア、ある時は20000ルピアとありがたく頂戴し、
その20000ルピア札は今でも大事にいつも財布の中に入れて何かお守り代わりになっている。
毎回一つずつ解っていくところがあり、少しずつだが階段をのぼらせてもらった。
ある時の目からうろこ体験は、仮面の下の表情。
前にも書いたが
ある場面でバポから「顔が死んでたぞ」とご注意をうけたように、
仮面をつけててもその下の表情がどんなんだかバポははっきりわかっちゃう。
ある時呼ばれて「そこ、やってみよ。」と
言われ、そこは笑えと言われていたのでそうしてみたのだが何回やってもダメだしが続く。
迷いながらやってると
「おい、タパル(お面のこと)はどんな顔してんだ?」と聞かれ
「・・・・・?」と考えていると、
「歯を見せてるだろう?」とバポ。
「あっ?!」そうだったのか。
歯を見せて笑わないといけないんだ。
それで、歯を見せてうっすらと笑ったら
「それでいいんだ。わかったか?」
バリダンスでは歯を見せて踊るのは最大のタブーとたたきこまれていたが
それは一般の踊りのことで、トペンは違うんだと初めてわかった日だった。
【Topeng Dalem トペン ダレム】 別名Arsa Wijaya (アルサウィジャヤ)
- 2015/12/11(金) 13:34:31|
- バリ、インドネシア
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6月6日(土) 岸和田市 @岸城神社
いつもナイスなチラシ

今年でもう7回目になるんだ。
光陰矢の如し。
初回にテレックでPりこさんと出た時、ただただ楽しかったな。
3回目にルジャンでPりこさんと出た時、なんか売り子さんしてた。
7回目にウィラルバノで8人の仲間と出た時、吉本のおひざ元でただのイロモンにならんよう気をつけた。

- 2015/06/09(火) 00:33:58|
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