学びの秋です。
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☆国際留学生会館 外国語講座☆
インドネシア語とインドネシア事情
インドネシア人留学生が講師となり、初歩のインドネシア語と
インドネシアの現状を紹介します。
10月10日~11月28日の毎週水曜日
18:30~20:00
8回で3000円
申込は受講料を持参の上国際留学生会館窓口へ。
テキストは各自書店で購入
※新装版インドネシア語が面白いほど身につく本
中経出版 ドミニクス・バタオネ著 ¥1680

講師は留学生会館在住の留学生です。
語学習得だけでなく、留学生との交流も楽しめます。
〇国際留学生会館
052-654-3511
地下鉄名港線「港区役所」下車 2番出口南へ徒歩5分
〒455-0015 名古屋市港区港栄二丁目2番29号
http://www.nic-nagoya.or.jp/japanese/nicnews/ryugakusei_kaikan
- 2012/09/27(木) 23:59:59|
- バリ、インドネシア
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プナプナ138号 (2004年12月8日発行)
バポ シジャの話はまだまだ続く。
もう飽きた?うん、ごめんね。
でもやめないよ。
さあ、どこまで書いたっけ。
うん、金弐千ルピア也の巻までだった。
さんざんなアルサデビューのあと、
私は一人稽古でカウントと動きをきちんと合わせるってのを徹底的に追求してみた。
なるほど、段々合ってくるのがわかる。
午後、バポが部屋の外でタパル(お面のこと)を彫りだしたのですかさず私もそばで稽古。
例によって私には目もくれないが、もちろん気にせず音合わせを追求。
そうこうしてると陽気な二人組「カデとスジャポル」が来た。
バポがちょうどいいとばかりに「プナサールと合わせろ」。
ここで解説。
トペンという踊りは単独の踊りが次々入れ替わって演じられるだけでなく、
複数の踊り手が場面に出ている時がある。
アルサウィジャヤ(ダレムともいう)では場にプナサールという役回りの踊り手が一緒に出ていて、
ダレムが登場してしばらくは対面に控えているのだが、中盤から一緒に踊るのだ。
それをバポは、「ほれ、いい練習相手が来た。合わせて見れや。」ということなのだ。
カデもスジャポルもまだ若いけど、りっぱな踊り手さん。
ちょっとドキドキ。
後半でちょっと間違えたけど2回目ぴったり。音の合わせ方も昨日のバポの言葉通りだった。
どんなに音楽が違ってもカウントの事だけ考えてればいいんだ。
そう言った。
自分でも時々早すぎたり遅すぎたりしてしまうんだ、とも。
そうゴンをしっかり聞き分けながら踊ることが鍵なんだ。
皆もそうだと思うけど、テンポが速くなったりまた速い遅いの変化が急だったりすると
拍がわからなくなっちゃう事ってあるよね。
速くなったら速くなったように拍を身体で感じなければいけないし、遅くなってもそれは同じ。
それは拍を1,2,・・・と数えながら踊ることではなく、
正確に拍の刻みを身体で理解しながら踊るという事なんだろうと思う。
だから、カウントというと数えることかと思われるかもしれないがそうではなく、
たとえばメロディーに合わせて手拍子を正確なリズムで入れられるかなどに近い感覚だ。
こういう感覚を研ぎ澄ましていると音がよく聞き分けられるような気がする。
ゴンの音だけでなく、カジャールやその他の音も。
この二人組との時間は本当に有り難かった。
次の日。
また、朝からお供え物がどっさり届く。
午後バポが踊るというので楽しみにして朝からビデオの用意念入りにして、
なんやらもうこれ以上焼けたくないと久々メイクもし、
マンディもしっかりして着てくものも決めてばっちり準備していた。
(やっとバポのダレムが観られるよォ。わくわく。)
ところが、出発の時になって
「おまえも踊るんだぞ」
「バポ~急すぎるって~。」
しかも今日は2ステージだという。
マッハで準備して出発。
同じ敷地内で場所を変えて2回踊る。
二日前の初めての時より2回目、そして3回目と確実に階段はのぼった。
3回目は音がすんごくゆっくり。
2回目で肩の上がり方が不足と言われたので3回目はすごいがんばって上げてた。
あとは立つところで顔がマティ(死んでるってこと。トペンはお面をつけてて踊り手の顔は外へ見えないのだが、見えてるのと同じように踊らないとだめ。)
歩いて後ろむくところの足取りも☓
でもこの足取りは2回しかやってくれないのでまだ把握できていない。等々を注意してもらえた。
音はばっちり合った。
こうして実践で学べとバポは口に出しては言わないが教えてくれた。
つづく・・・。
- 2012/07/09(月) 23:59:59|
- バリ、インドネシア
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プナプナ135号 (2004年11月16日発行)
ボロボロ最悪で悔しかったアルサデビューの話はまだ続きがある。
この日は「何故踊るのか」という究極的な問いかけが頭の中をぐるぐるしていたのだが、
まあそっから派生したあれこれがさらに湯水のように沸き出してきて、
日頃頭を使ってない私は知恵熱出すんじゃないかくらいの頭脳エネルギーを消費した。
出さなかったけど。
そんなこと知るはずもないバポは、踊り終わった私にな・な・なんと!!もうほんとうに、
ほんっとうに人生で2番目くらいにびっくりしたんだけど。
お金をくれた。
金弐千ルピア也。
畏れ多いのでこう書きたくなる。
もったいなやもったいなや。
2000ルピアあればナシブンクス(ご飯とおかずを紙に包んだもの)なら2食分、
ピサンゴレン(バナナフリッター)なら10コは買える。
「さっきバポがいっぱいもらってたの知ってるだろ。いいんだ。とっとけ。」
「そ、そんな。バポ。受け取れませんって。ご冗談でしょ。お納め下さいまし~。」
と訴えたのですが、全然聞いてない。
一緒に踊らせてもらえるだけですごい事なのに、しかもあんなひどい出来で・・・。
もらえないって。
私はそれまでひとつ守ってきた自分なりの考えがある。
この前も書いたけど、バリ人じゃない私はもちろん異教徒。
なので、バリで踊ることについては遠慮するのが私のやり方、と思ってきた。
それまでに、数は多くないけど誘われた時はお断りしてきた。
それを破ったのは、他でもないバポの指示、指示じゃない、あれは命令。
そう他でもない「神様」バポの命令だったからだ。
彼の前で「ノー」と言うことはできなかった。
ただでさえ、自分の禁を破って後ろめたい気分なのに、お金までもらってしまった。
(だめだぁ~。こっちが払いたいくらいなのに。
このお金で明日サリに何か買っていこ。ワルンでジャジャンでも買おうっと。)
「サリ」とは一緒に住んでいる娘さんで、勤めに出ながらバポの身の回りの世話を一手に引き受けている働
き者。
お嫁さんいるんだけど、サリがいないとこのうちは回っていかない。
せめて旦那さんが働きに出てくれたらサリはもっと楽になるだろうに。
サリは食いしん坊。
おいしいもんでも買っていこ、と何買ったか忘れたけどそれを持ってトントンと部屋の戸をノック。
サリが出てきた。
不審気な顔。眉が曇っている。
「サリ、これ食べてね。」と渡すとその眉が一度に晴れた。
にっこり笑って受け取ってくれた。
まあ、これが結構私は嬉しかった。
サリの笑い顔は滅多に見たことなかったから。
で、後ろめたい私の気分も少しは晴れたっていうお話。
もう少し後ろめたさに甘んじるべきだったが・・・。
…つづく。
- 2012/07/01(日) 23:23:30|
- バリ、インドネシア
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☆プナプナ133号 (2004年11月2日発行)
突然のアルサデビューは夜ではなく、昼間の結婚式だった。
初めてなので、お嫁さんのダユが付き添ってくれ、心強かった。
招待客でごった返す屋敷の一角、小さな一棟に通されるとすぐにバポと共に準備を始める。
それまでに何度もバポの舞台に付き添っているので手順はあらかたわかっているが、自分が踊るとなると話は別だ。
一応衣装をつけ、あとはタパル(お面)とグルンガン(冠)をつけるだけにして待機。
既にバポは棟の外で踊り始めている。
いつ出ていくんだろう・・。
曲がアルサに変わるからわかるよねと思いながらもかすかな不安がある。
外でノリノリで踊り語っているバポ。う~ん、いつ?と待っている私。
何々?何か私のこと言ってる。
変な日本人が出てくるから期待しろ?観客笑った。ウケてる。
いつも楽しませる事を忘れないバポ、エンタテイナーだなぁ。
あ、手招きしてる。出ろってこと?まだタパルつけてないってば。
ダユが慌てて手伝ってくれ、私が出るまでつなぎの音で待っていたガムランが突然アルサの曲になる。
きゃーいつも突然なんだからバポは~。
踊り出たはいいが、ん?音が・・音がぁぁぁ~。途中から違う。
えっ?
は?
ジェンジェンジョローンじゃない。
音が違うことにとまどって後半は最悪。
何とか立て直して終わるという結末。
バポはカウントだけ考えればいいと言うが、メロディーが違うのにどうするのか。
速くなって欲しいところでならないし、だから回れなくて音待ってたら「回れ」とバポに言われるし。
ようは場数ということか。
終わって悔しかった。
考えてみれば、どんな音でも、ランスンムナリが本来の姿だから、場数でしかない。
ランスンムナリとはどういう事かというと、バリで踊る時っていうのは、ある種の公演を除き、何回も事前にガムランと合わせる練習をして本番に備えるなどという手順は踏まず、直接その場に行ってその場で音と合わせる一発本番でしかないっていうこと。
次から次へとバポはハードルを作ってくれる。
なぜ踊りの稽古をするのか。なぜ踊るのか。
バリ人の場合目的は一つ。こういう形で、生活の中の色々なウパチャラ(儀式の事)で踊れること。
終点はそこだ。
もっとも、生活の糧を得るためという側面も忘れてはならない。
バポは必ずふんだんなバンテン(供え物)とその中に幾ばくかの現金をもらっている。
この2週間で4回もあった。
スニマン「アラム」の「アラム」という言葉が実感できる。学ぶべきものは学校ではない。
こういう学び方が本当なんだ。とバポははっきり言った。
つづく・・・。
- 2012/06/29(金) 22:48:50|
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